あこがれと苦悩と 洋画家たちのパリ

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第一次世界大戦直後、パリには300人を越える日本人画家が滞在していたという。フランス仕込みの鮮やかな色彩を持ち帰った者、次々と生まれる新しい美術の動きに刺激され日本の伝統を見つめ直した者。パリは画家たちにさまざまな影響を与えた。  番組では、パリに留学した近代日本の代表的な6人の洋画家――黒田清輝、浅井忠、安井曾太郎、梅原龍三郎、佐伯祐三、小出楢重が、フランスで何を学び、その後の日本の洋画にどのような影響を及ぼしていったのかを検証する。 明治時代に留学した「第一世代」の黒田清輝と浅井忠は、対照的な道をたどる。外光をとりいれた新しい絵画を持ち帰り「日本近代洋画の父」とよばれた黒田に対し、浅井はアールヌーボーと出会い、絵画よりも日本の装飾芸術に目を向けるようになった。 浅井門下から留学を果たしたふたり。安井曾太郎はセザンヌに、梅原龍三郎はルノワールに強い影響を受ける。しかし西洋の模倣にとどまらず、帰国後は模索の末にそれぞれが日本独自の洋画を打ち立てた。 大正末期にパリに渡った小出楢重は「西洋の油絵の根っこにあるもの」を徹底的に追求、佐伯祐三は毎日2、3枚のペースで憑かれたようにパリの街を描き続け、ともに短い命の火花を散らした。 みずからも青春時代のパリ留学経験を持つ芳賀徹さん(比較文学研究者)とともに、6人の画家たちのパリへのあこがれと苦悩を読みとく。

芳賀徹さん(比較文学者)

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