「モネ 光を追いつづけた男」

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日本人が最も愛する画家の一人クロード・モネ(1840-1926)。この「もっとも印象派らしい画家」の回顧展が今年オープンした六本木の国立新美術館で開かれている。オルセー美術館を中心に世界各地から集結した名作の数はおよそ100点、世界にも稀な大展覧会だ。
近年の研究の結果、修正されたモネ像に沿って展覧会は構成されている。自然の光と色彩に対する天才的な眼を持つ画家の妥協なき人生といったイメージから、近代的な暮らしの観察者としての側面、「ルーアン大聖堂」などの連作にこめられた商業的な側面など、多面的なモネの姿が浮き彫りにされる。
この展覧会に注目するのが、西澤潤一さんだ。半導体の研究で世界的に有名な科学者は、無類のモネ・ファンである。かつてパリのマルモッタン美術館で、モネの「睡蓮」が誰にも気付かれることのないまま、逆さに掲げられていることを、モネの影の描き方から見抜き、指摘したことがあるほどのモネ通だ。
西澤さんにとって、モネの魅力とは、冷徹な科学的まなざしを持ちながらも画面いっぱいに「温かさ」があふれていることだ。感覚的な画家だと思われてきたモネは実は分析的な画家であり、自然を時間や光に分解してさまざまな相を描き出すことに成功した。一方で、名作「積みわら」などに見られるように、厳寒な戸外でただひたすらに一瞬の温たかい光を待ち続けたそのひたむきな姿勢に深い感動を覚えるという。
81歳になった今なお現役の学者であり続けることの原動力は、86歳の死の寸前まで光と格闘し続けたモネの絵を見ることだ、という西澤さん。番組では、西澤さんともに展覧会場を訪ね、新たな視点で「光の画家」モネをとらえる。

西澤潤一さん(首都大学東京学長)

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