「シリーズ 画家と戦争(1) 戦争画が生んだ名作 ~小磯良平「斉唱」~」

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神戸出身の洋画家・小磯良平の代表作「斉唱」。モノトーンの静謐(せいひつ)な画面。はだしで制服姿の9人の少女がひたむきに歌っているのは賛美歌だろうか。描かれたのは太平洋戦争開戦直前の昭和16年。実はこの頃、小磯は従軍画家として戦争記録画を手がけていた。「斉唱」にはやむを得ず軍に協力したことへのあがないの気持ちが込められている、平和を待ち望む祈りが込められていると言われてきた。
しかし最近、「小磯が必然的に群像を描くことになる戦争画に積極的に取り組んだ、その成果が『斉唱』なのではないか」とする説が唱えられている。 小磯の戦争画と「斉唱」は構図や描法がよく似ている。番組では、戦争記録画は大きなカンバスで群像表現に挑み、構図や写実を磨く絶好の機会であり、その修練の末に「斉唱」が誕生したことを検証。
30代後半という脂の乗った時期に戦争の時代を迎えた小磯。自らの芸術を追及するために戦争画をも利用した画家の執念。近代日本絵画史上の傑作「斉唱」誕生の秘密に迫る。

山脇佐江子さん(姫路市立美術館館長)

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