「「理想の美術館」で名品に出会う ~探訪 奈良・大和文華館~」

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奈良市の郊外、緑豊かな丘の上に立つ大和文華館は、平安王朝絵巻の傑作「寝覚物語」や豪華な着物をまとった江戸初期の女性群像「松浦屏風」など、国宝4件・重要文化財31件をはじめとする日本有数の東洋美術コレクションを誇る。開館50周年を迎えた今年、改修工事を経てリニューアルオープンし、多くの観客を集めている。
日本の民間美術館の多くが、企業や個人の既存のコレクションを収蔵展示するため作られたのに対し、大和文華館は「美術館を作る」という目的のため、ゼロから作品の収集を始め生まれた先駆的存在だ。その立役者が、西洋美術史の大家で初代館長の矢代幸雄。世界中の美術館を見てきた矢代は、「美術館にとって何より大事なのは、作品の多さや展示室の広さではなく、訪れる人が心から美術品を楽しむことだ」と考え、徹底して鑑賞者の立場に立つ「理想の美術館」を生み出そうと奮闘する。
大和文華館には、緑あふれる広大な敷地に、展示室がただ一つ。中央の竹庭からそそぐ陽の光の中で、名品の数々を心豊かに味わうことができる。矢代が作り出した珠玉の空間を探訪し、今も受け継がれている作品収集と研究に向けた志など、矢代が目指した「理想の美術館」の心に触れる。

出演 中部義隆さん(大和文華館学芸部次長)

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