「音なき世界 再生の青 ~作家・佐伯一麦と松本竣介「白い建物」~」

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仙台在住の作家・佐伯一麦(かずみ)は、3月11日の東日本大震災を経験した。その後、停電や断水の中での生活を余儀なくされる日々の中、佐伯の胸に去来する一枚の絵があった。
その絵とは、宮城県美術館所蔵の“洲之内コレクション”の一枚、松本竣介の「白い建物」だ。盛岡で少年時代を過ごした竣介は、13歳で聴覚を失った。第2次世界大戦下の町を無彩色で描いた風景画を多く残しているが、「白い建物」では青い空が印象的だ。“洲之内コレクション”を愛し、身近に接してきた佐伯。復興のかけ声がにぎやかな今、「白い建物」と再び対面することで、今どのように振る舞うべきなのか、この静かな絵から聞こえる声に耳を澄ませたいと感じている。
佐伯の心には、今回被災したひとりの友人が浮かぶ。竣介と同じく聴覚を失っている彼女は、津波で夫を亡くして以来、言葉を失ったままだ。彼女に何とかして寄り添いたい。佐伯は竣介の絵を通じて紡ぎ出した言葉を手紙にしたため、彼女に書き送る。
津波にさらわれた町、仮設住宅で新たな一歩を歩み始めた友人。番組では、被災地を歩く佐伯が、小さな絵の中に再起のメッセージを探りあてようとする姿を追う。

出演 佐伯一麦さん(作家)

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