「祈りのまなざし イコン画家・山下りんと東北」

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東日本大震災から4年。東北の地で、人々の心の支えとなってきた絵がある。描いたのは、山下りん(1857-1939)。明治時代、聖書の物語や聖人を描く“イコン”と呼ばれる聖像画に生涯をささげた女性画家だ。
りんのイコンは、震災後の停電の中、教会でろうそくの明かりの下で過ごす信者たちを励ました。町が破壊されてしまった中、慣れ親しんだ姿でそこにあるイコンは、いまだ復興の途上にある人々の心のよりどころとなっている。
りんのイコンが飾られている日本の東方正教会・ハリストス正教会は、その4割近くが東北地方にある。明治時代、戊辰(ぼしん)戦争で敗北した旧東北諸藩の士族たちが、函館のロシア領事館付設の教会で信者となり、郷里にその信仰を広めたためだ。明治の近代化政策から遅れをとっていく東北の地に、新たな時代の光明をもたらしたいとの思いからだった。信者となった人々は、山から切り出した木材や石で建てた聖堂に、りんのイコンを迎え、祈りをささげてきた。どこか日本的な風貌をもつイコンは、誕生や収穫の喜びのときも、飢きんや災害のときも、人々に寄り添い、時を刻んできた。
りんの世界に強くひかれるという姜尚中さんが、東北を訪れ、山下りんのイコンが、今なぜ人々の心を捉えるのかを読み解く。
出演 姜尚中

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